UUUM創設メンバー一覧と現在|設立からTOB買収・上場廃止の全真相
日本の動画配信ビジネスの金字塔として、一時代を築き上げたYouTuberマネジメントのパイオニア「UUUM(ウーム)」。2013年の創業から東証マザーズ(現グロース)への華々しい上場、そしてトップクリエイターたちの相次ぐ離脱や経営トップの交代を経て、フリークアウト・ホールディングスによるTOB(株式公開買付)と上場廃止という大きな転換期を迎えました。激動の歴史を歩んできた同社ですが、その原点にあったのは誰のどのような情熱だったのでしょうか。
動画クリエイターが「職業」として認知されていなかった黎明期に、手探りで会社を立ち上げた創業メンバーたち。彼らはその後どのような道を歩み、2026年の現在どこで何を手がけているのか。創業のキーマンである鎌田和樹氏の退任劇から、ファウンダーであり最高顧問を務めるHIKAKINの現在地、そして事務所買収の裏に潜む構造的課題まで、取材データと公式記録を基にその全貌を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:UUUMは2013年6月、元光通信の営業マンだった鎌田和樹氏とHIKAKINの運命的な出会いから「ON SALE株式会社」として産声を上げた。
- 要点2:黎明期を支えた瀬戸弘司氏や佐々木あさひ氏ら初期メンバーは、クリエイターエコノミーの成熟とともにそれぞれの活動スタイルを確立している。
- 要点3:相次ぐクリエイターの退社や経営再編を経て、フリークアウト・ホールディングスの傘下に入り上場廃止を選択。2026年現在は非公開企業としてIPビジネスや総合エンタメ企業への再生を進めている。
【2026年最新】UUUM創設メンバー一覧と初期クリエイターの現在地
UUUMという組織を語る上で欠かせないのが、立ち上げ期に参画した中核メンバーの存在です。「動画で自己表現をする個人」を束ね、ビジネスとして成立させるスキームが日本に皆無だった2013年、社名変更前の「ON SALE株式会社」時代から関わりを持った先駆者たちがいました。
創業時の中心人物は、ビジネスサイドを一手に引き受けた鎌田和樹氏と、クリエイターの象徴として参画したHIKAKINです。そこに共鳴する形で、当時すでにYouTube上で独自の存在感を放っていた瀬戸弘司氏、佐々木あさひ氏、Kazu(カズチャンネル)氏といった黎明期のトップランナーたちが合流しました。初期のUUUMは単なるタレント事務所ではなく、「個人が創作に集中できる環境をどう作るか」を模索する共同体のような熱量を帯びていました。
| 創設・初期主要メンバー | 創業時の役割・立ち位置 | 2026年現在の所属・ステータス | 編集部の見解・分析 |
|---|---|---|---|
| 鎌田 和樹 | 共同創業者・初代代表取締役社長CEO | 代表・取締役を退任、実業家・投資家 | ゼロから上場まで導いた最大の立役者。組織拡大期特有の痛みを背負い経営の一線から勇退。 |
| HIKAKIN | ファウンダー・看板クリエイター | UUUM最高顧問・大株主・現役トップ | 上場廃止後も最高顧問として看板を守りつつ、自身のブランド「みそきん」等で独自経済圏を築く。 |
| 瀬戸 弘司 | 初期参画クリエイター(ガジェット系) | 専属所属(独自のマイペース更新を継続) | 退社ラッシュの波にも流されず残留。独自の職人気質とUUUMのサポート体制が共存。 |
| 佐々木 あさひ | 初期参画クリエイター(ビューティー系) | 専属所属(ライフステージに合わせた発信) | 女性クリエイターの先駆者。黎明期から一貫して組織に籍を置き、後進のロールモデルに。 |
| Kazu(カズ) | 初期参画クリエイター(福井発・DIY/日常) | 専属所属(地方創生・地域密着展開) | 東京集中を避け、福井を拠点に活動。地方と東京本社交渉の架け橋としてUUUMの恩恵を最大化。 |
上記の通り、創業時に合流した中核クリエイターの多くは、後述する激しい退社騒動を経てもなお同社に残っています。一方で、経営を率いた鎌田氏が身を引き、外部資本の傘下に入るなど、組織のガバナンス構造は創業期とは別物へと進化を遂げました。

2013年の黎明期|鎌田和樹の経歴とHIKAKINが出会った「創業の原点」
UUUM誕生のストーリーは、当時29歳だった鎌田和樹氏の異色のキャリアから始まります。1983年生まれの鎌田氏は、大手通信代理店である株式会社光通信に入社後、持ち前の営業力で頭角を現し、テレコム事業や法人営業の現場で最年少役員を務めるなど、徹底した数字管理と組織構築の現場に身を置いていました。
転機が訪れたのは2013年春のことです。起業を志して独立した鎌田氏は、共通の知人を介して当時すでにネット上で注目を集め始めていたHIKAKINと出会います。当時の様子について、鎌田氏は後の自著やインタビューで「自分自身で企画し、撮影し、編集して世界に発信している姿を見て、とてつもない才能だと雷を打たれたような衝撃を受けた」と述懐しています。
当時、アメリカではすでに「MCN(マルチチャンネルネットワーク)」と呼ばれる動画制作者向けのエージェンシーが台頭していましたが、日本国内では「YouTuber=趣味で動画を上げている若者」という偏見が根強く、企業タイアップ案件を受ける窓口すら存在しませんでした。企業からの問い合わせがクリエイター個人のGmailに直接届き、契約書の作成や著作権処理に追われて動画制作が圧迫される事態が多発していたのです。
「クリエイターが動画作りに専念できる環境を作れば、この市場は絶対に爆発する」――。鎌田氏の営業・組織構築力と、HIKAKINが持っていたクリエイター目線の課題意識が合致し、2013年6月に前身となる「ON SALE株式会社」が設立されました。その後、社名検討のミーティング中に「何か良いアイデアはないか」と頭を抱えていた際、関係者が漏らした「うーむ……」という感嘆詞から着想を得て、同年「UUUM株式会社」へと商号を変更。日本のYouTube新時代がここから幕を開けました。
相次ぐクリエイター脱退の裏側|手数料20%とビジネスモデルの限界
2017年のマザーズ上場を経て破竹の勢いで拡大を続けたUUUMですが、2020年頃から潮目が大きく変わり始めます。木下ゆうか氏、関根理紗氏、ブレイクスルー佐々木氏、エミリン氏など、数百万人の登録者を誇る有名クリエイターの退社発表が相次ぎ、ネット上では「UUUM離れ」「オワコン化」といった過激な言葉が飛び交いました。
なぜ初期の結束力は揺らいだのか。その本質は、「クリエイター自身の自立」と「固定マージン(約20%)の費用対効果」の乖離にありました。創業黎明期におけるUUUMの価値は絶大でした。怪しいスパムや無理難題を吹っかける悪質クライアントを排除し、大手ナショナルクライアントからの高単価なタイアップ案件を獲得してくる営業力は、事務所に所属する最大のメリットだったからです。
しかし、クリエイターが数百万人の登録者を抱えるトップランナーになると、自身の知名度だけで企業から直接オファーが入るようになります。また、編集スタッフやマネージャーを自前で雇用できる潤沢な資金力を持つに至った彼らにとって、「毎月のアドセンス収益や案件報酬から一律20%を手数料として差し引かれること」に対する合理的な説明がつかなくなったのです。月収が数千万円に達するクリエイターにとって、年間数千万円〜数億円単位の手数料に見合うサポートを事務所が提供できているのかという疑問は、必然的な経営判断としての「独立」を促しました。
当時のSNSや掲示板では「クリエイターを搾取している」「見捨てられた」といった感情論が噴出しましたが、内情を取材してきた業界関係者は次のように指摘します。
「芸能プロダクションとは異なり、YouTuberのチャンネル権利や著作権は基本的にクリエイター本人に帰属しています。事務所を辞めてもそのままのチャンネル名で活動を継続できる契約形態そのものが、UUUMが黎明期にクリエイターファーストを貫いた証左でもありました。退社ラッシュは事務所の失策というより、『クリエイターエコノミーが成熟し、個人の力が旧来の組織を超えた』という市場構造の変化が生んだ必然的な帰結でした」
鎌田和樹氏の社長退任から上場廃止まで|激動の経営再編と買収劇
クリエイターの独立ラッシュと時を同じくして、YouTubeのプラットフォーム自体にも激震が走ります。TikTokの台頭に対抗して導入された「YouTubeショート」の普及により、従来の長尺動画の再生数が頭打ちになり、動画広告(インストリーム広告)単価が下落傾向に転じました。UUUMの収益構造の柱であったアドセンス連動型収益が圧迫され、株価は上場来高値から大幅に下落する局面を迎えます。
こうした構造的不況の中、2022年6月に創業社長の鎌田和樹氏が代表取締役社長を退任し、代表取締役会長へ就任。後任には長年ビジネス部門を統轄してきた梅景匡之氏が就任しました。さらに2023年には鎌田氏が取締役も退任し、名誉顧問・ファウンダーという立場へ退くことが発表されました。創業から約10年、会社を東証一部市場(現プライム)を狙える規模まで押し上げたカリスマ創業者の一線からの退任は、市場に大きな衝撃を与えました。
そして2023年秋から2024年にかけて、同社は歴史的な決断を下します。アドテクノロジー大手であるフリークアウト・ホールディングスによるTOB(株式公開買付)を受け入れ、同社の連結子会社となった後、完全子会社化を経て株式の上場廃止を選択したのです。
四半期ごとの業績開示や短期的な株主還元を求められる上場市場から一旦身を引き、フリークアウトの持つデジタルマーケティング技術や海外ネットワークを取り込みながら、中長期的な視点で事業構造の転換を図るための「戦略的撤退」でした。2026年現在のUUUMは、上場企業という枠組みを外し、より機動的に新規IPビジネスやクリエイター向けソリューションを開発する非公開企業として再スタートを切っています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|「オワコン化」言説の真実
ネットニュースやまとめサイトでは「UUUMは買収されて消滅した」「クリエイターに見放されて崩壊した」という極端な言説が散見されます。しかし、一次資料や実際の事業ポートフォリオを検証すると、一般読者が抱きがちなイメージとは異なる事実が見えてきます。
最大の誤解は、「UUUMは単なる動画広告の仲介業者に過ぎなかった」という見方です。実際には、所属クリエイターのグッズ展開やイベント運営、音楽レーベル事業、さらにはP2C(Person to Consumer)と呼ばれる自社ブランド開発において、同社は圧倒的なノウハウを蓄積してきました。
その代表例が、HIKAKINがプロデュースした濃厚味噌ラーメンブランド「みそきん」の社会現象的な成功です。発売と同時に全国のセブン-イレブンで即完売を繰り返し、再販のたびにトレンドを席巻したこのビジネスモデルは、単に「YouTubeで宣伝した」から売れたのではありません。商品の開発段階からパッケージデザイン、サプライチェーンの確保、小売店との緻密な配分調整、転売対策に至るまで、UUUMが裏方として培ってきた強固なB2Bオペレーションが存在して初めて成立したものです。
「動画の再生回数に依存する手数料ビジネス」から「クリエイターの熱狂的な求心力を活かしたIP・プロダクトビジネス」への転換。世間が「オワコン」と騒いでいた水面下で、UUUMは旧来のMCNモデルから脱却し、より強固な実業基盤へのピボットを着々と進めていたのです。

【実態検証】クリエイターエコノミーの変遷と所属・独立の境界線
動画投稿者が「個人」から「企業体」へと変貌を遂げた現在、クリエイターにとって事務所とはどのような存在であるべきなのか。現場の生の声と組織論の観点から検証すると、所属と独立の境界線には明確な心理的・物理的バウンダリー(境界線)が存在することが分かります。
YouTubeの現場を取材すると、中堅クリエイター(登録者数10万〜50万人規模)からは次のような証言が聞かれます。
「個人でやっていると、企業案件の契約書にある損害賠償条項やステマ規制(景品表示法)への対応など、法務リスクが怖くて夜も眠れないことがあります。UUUMのような大手を通すことで、何かトラブルがあった際にも会社法務が防波堤になってくれる。この『精神的セーフティネット』の価値は、手数料を払ってでも手放せません」
一方で、登録者数数百万人を抱え、自身の法人に専任マネージャーや税理士、弁護士を抱えているトップ層にとっては、事務所の防波堤機能は過剰スペックとなります。組織社会学の視点で見れば、これは「親離れ」に似た健全な自立プロセスです。創業時のUUUMはクリエイターにとっての「育成所」であり「避難所」でしたが、子供が成人して家を出るように、自前でインフラを持てるようになったトップ層が独立していくのは、業界の生態系として極めて正常な進化と言えます。
【プロの結論】所属事務所を選ぶべきクリエイターと自立すべき個人の判断基準
クリエイターエコノミーが完全に成熟した2026年において、これから本格的な活動を目指すクリエイターや、現状の活動方針に迷っている配信者は、自身の立ち位置をどのように見定めるべきでしょうか。専門的見地から導き出した判断基準は以下の通りです。
【事務所所属が向いているクリエイターの条件】
- コンテンツ制作のみに全リソースを集中させたい職人タイプ:企画、撮影、編集以外の事務処理(請求書発行、タイアップ交渉、著作権確認、ファンレター管理など)に強いストレスを感じる人。
- ステマ規制や著作権侵害など法務トラブルを極限まで避けたい人:近年のコンプライアンス厳格化に伴い、個人の無知による炎上リスクを企業のリスクマネジメント機能でヘッジしたい場合。
- 大型イベントの開催やオリジナルグッズの量産を行いたい人:個人の資金力では難しい初期在庫リスクの負担や、大規模会場の手配を組織のバックアップで実現したい場合。
【独立・個人活動を貫くべきクリエイターの条件】
- すでに信頼できる専任スタッフやマネジメントチームを内製化できている人:外注ディレクターや法務顧問を独自に抱え、事務所に頼らずとも業務が完結している場合。
- 自身の固定ファンに向けたD2Cやメンバーシップ収益が主軸の人:企業案件に頼らず、少数のコアファンからのダイレクト課金で十分に事業が成立している場合、20%前後のマージンは重荷になります。
- 意思決定のスピードを最重視する人:新興SNSの活用や突発的なコラボレーションなど、事務所のコンプライアンス確認を待たずに即断即決で動きたいスタイルを持つ場合。
【uuum 創設 メンバー】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:UUUMの創設メンバーは誰ですか? HIKAKINは創業社長だったのですか?
A1:実質的な創業者および初代代表取締役社長CEOは鎌田和樹氏です。HIKAKIN氏は社長ではなく、創業理念を共有した「共同創業者(ファウンダー)」として最高顧問を務めています。ビジネスサイドを鎌田氏が、クリエイターサイドの象徴をHIKAKIN氏が担う形で会社がスタートしました。
Q2:創業社長の鎌田和樹氏はなぜ退任したのですか? 現在は何をしていますか?
A2:2022年6月に代表取締役社長を退任後、代表取締役会長を経て、2023年には取締役からも退任しました。背景には、業績低迷に伴う経営責任の明確化と経営体制の若返り、そして上場企業としてのガバナンス刷新がありました。現在はUUUMの経営第一線から完全に退き、ファウンダー・名誉顧問として見守りつつ、他社の経営顧問やエンジェル投資家として活動しています。
Q3:なぜUUUMは上場廃止になり、フリークアウトの傘下に入ったのですか?
A3:YouTubeショートの台頭による広告単価の下落や有名クリエイターの独立により、旧来の広告マージンモデルが限界を迎えたためです。短期的な株価や四半期決算に左右されず、中長期的な視点でIPビジネスやデータマーケティング事業へと再編を進めるため、フリークアウト・ホールディングスによるTOBを受け入れ、あえて株式の非公開化(上場廃止)を選択しました。
まとめ:黎明期の熱狂から成熟期へ|新生UUUMが示す次世代の指針
「好きなことで、生きていく」――。あの印象的なフレーズとともにYouTubeが日本社会を席巻した2010年代半ば、UUUM創設メンバーたちが成し遂げた最大の功績は、社会的に認知されていなかった「ネットの動画投稿者」を、立派な職業として市民権を得るまでに押し上げた点にあります。
鎌田和樹氏とHIKAKINという、ビジネスとクリエイティブの両極に位置する才能が出会ったことで生まれた熱狂は、上場という資本市場の洗礼、そしてクリエイターたちの自立と独立という試練を経て、一つの大きな歴史的役割を終えました。
TOBによる上場廃止を経て、非公開企業として2026年の現在を走る新生UUUM。それはかつてのような「YouTuberを囲い込む事務所」ではなく、個人の影響力を最大化して社会に価値を届ける「総合IPプロデュース企業」へと姿を変えています。創業メンバーたちが切り拓いた荒野の上に、いま新しいクリエイタービジネスの地平が広がっています。 (出典: uuum 創設 メンバー(Yahoo!ニュース))